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目次
349 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:01:02 ID:yGdGspxk 俺のかーちゃん、俺が高3に上がったときにいきなり倒れて入院した。 検査をして入院が決まったが、俺は内容を詳しく聞かされなかった。
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- 350 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:01:27 ID:yGdGspxk
かーちゃんの具合はすぐには回復せず、入院は長引いた。
俺も出来るだけお見舞いに行きたかったが、 夏頃から受験勉強もあって、かーちゃんに会いにいく時間も取れなくなっていった。
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- 351 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:01:47 ID:yGdGspxk
俺は決して頭が良くはなかったが、かーちゃんは立教大学出身だった。 だから、俺は小さい頃良く「かーちゃんと同じ大学にいく」と言ったものだ。
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- 352 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:02:07 ID:yGdGspxk
実際に受験となると、ハードルは高かったけれど、 立教を目指してがんばった。
/ ̄ ̄ ̄\ / \ / \ / u ヽ | (●) (●) u | \ (__人__) __,/ / ` ⌒´ \ _(((┃)))_____i | / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \ / /_________ヽ \
- 353 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:02:32 ID:yGdGspxk
冬になり、かーちゃんは次第に痩せていった。 飯も食わなくなり、俺の手を良く握るようになった。
, - 、 __,- 、 , ー 、 /、 丁 ,.ノ_ , ー、f `l l |_,ィ'´ ノ |ヽ `〈l ド、 l _/_ , -、 / ` 、 ゝ ! `´rゥ- '´ j __/ `ュ >_/ 1_,/`‐' ''" _.../ | r' ´ l _, -‐ '´厶_ ト-‐ゥ-‐' \ ィ´ `t┼ `ゝ_| ! 」 ヽ / 1 ___」 |∧ / 勺 " !ヽヘ _/ ゙;`
- 354 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:02:57 ID:yGdGspxk
かーちゃんは俺に色々話をさせた。学校、進路、夢……。 思えば何であのとき気がつかなかったんだろう……。
____ / \ /\ / (ー) (ー) \ / ⌒(__人__)⌒ \ | |r┬-| | \ `ー'´ / ノ \ /´ ヽ | l \ ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ル:::::リγ::..:::::..:::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ Yyノ ノ :ノ...:ノ ノ ヽ ::::::) ルリノ リ::::::( ( ⌒) (⌒::( . ハ::::ハ ,,ヽ r‐ァ / リ) ) ) ) )、  ̄ ノくハ( (,(.( ' ヘ ∩ ノ ⊃ / ./ _ノ (. \ / ./_ノ │ \ “ /___| | . \/ ___ /
- 355 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:03:18 ID:yGdGspxk
最後の模試の結果が出た。努力の甲斐か、立教大B判定が出た。
俺からすれば奇跡に近い判定。
おれは帰りに病院に行き、得意げに模試の結果を見せた。
____ / \ / ⌒ ⌒ \ かーちゃん、おれ立教大いくお! / (⌒) (⌒) \ | /// (__人__) /// | 判定も、ホラ! \ / /ヽ、ニ__ ーーノ゙\_ .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.| _(,,) 立教大学 (,,)_ /. | 判定-B | \ / .|_________| \
判定…A、B、C、D、Eとあり、Aに近いほど合格の可能性が高い水準にあることを示す。
- 356 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:03:40 ID:yGdGspxk
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....: :::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....: :::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i がんばってるのね ル:::::リγ::..:::::.. :::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ Yyノ ノ :ノ...:ノ ノ ヽ ::::::) ルリノ タケシ(仮)が後輩になってくれたら リ::::::( ( ⌒) (⌒::(ハ(( かーちゃん嬉しいよ . ハ::::ハ ,,ヽ r‐ァ /リ) ) ) ) ) ) ) )、  ̄ ノくハ((ハ( ((ハ(( ,r┘‐‐ ' >、) ) ) ) ))) ) ) )‐ <,ム、 /´ ハ(((( ,. ‐'"./:::. .... O::::::"''"...::::::..', `゙ヽ、 ,. ‐'" /:::::./::::::::: ::::::::: i / ̄ ̄`゛'' -、, ,. ‐'" / l O l /: : : : : : : : : : : : : `ヽ _ ,. ‐'" /::. .:::::::.l ..:::::.. /::. l/: : : : : : : : : : : : : : : : : .-‐''" ゛'' -、,,__ /:::::::: :::::/ i O::::: / ........ lヽ、: : : : : : : : : : : : : : : `ヽ/ / /::::.. / ::::::::::li \: : : : : : : : : : : : / ..::::::.. / ̄゛''-、,, / /l ゛''-、,,: : : : : : : : ,r ''"\ :::::::::/ /::::::::. / l ゛'' ── (_ 人_,,.-‐''" /::::::::::: /ヽ、l し' / ..:::::/ \
その日もかーちゃんは俺にたくさん話をさせた。 俺の手を握りながら……楽しそうに。
- 357 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:04:09 ID:yGdGspxk
それからすぐ、俺は大学入試を迎えた。 大本命の日、朝早く起きて下に降りるとかーちゃんが台所にいた。
/ ̄ ̄ ̄\ ノし ゙\, .,、,/"\ / ⌒ (●)ヾ'(●) \ 何やってんだお、かーちゃん! | ⌒゙(__人__)"⌒ | \ `ヾ,┬、/` , / 寝てなきゃ駄目だお!! . /⌒/^ヽ、 )__( ,ィヽ、 / ,ゞ ,ノ ゙⌒" , \ l / / ト > ヾ_,/ |/ / | |/
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ル:::::リγ::..:::::..:::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ Yyノ ノ :ノ...:ノ ノ ヽ ::::::) ルリノ 今日は本命の日でしょ リ::::::( ( ー) (ー::( お弁当持ってきなさい…… . ハ::::ハ ,,ヽ r‐ァ/ リ) ) ) ) )、  ̄ノくハ( (,(.( ' ヘ い ノ:::)) ノ/)` ヾ ソ ̄(( ,' ノ Y Y l: ( ...... ..... i lヾ. .. :::::::: ::::: .ノ
- 358 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:04:33 ID:yGdGspxk
一年ぶりのかーちゃんの弁当だった。
俺は涙が出るのをこらえながら準備をして出かけようとしたとき、 かーちゃんが急に苦しみだした。
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ル:::::リγ::..:::::..:::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ Yyノ ノ :ノ...:ノ ノU ヽ ::::::) ルリノ リ::::::( ( ー) (ー::( . ハ::::ハ U,,ヽ r‐ァUリ) ) ) ) )、 U  ̄ノくハ( (,(.( ' ヘ い ノ:::)) ノ/)` ヾ ソ ̄(( 、 ,' ノ Y Y
- 359 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:04:56 ID:yGdGspxk
俺は急いで病院に電話し、救急車がきた。家には俺しかおらず、付き添って行った。
____ /ノ ヽ、_\ __ . ./( ○)}liil{(○)'(_)( ゙ヽ / (__人__) |.( .', | |!il|!|!l|| _|.( ..ト-a‐-a, \ |ェェェェ| _(_)(.__.ノ 'a,, `ー'´  ̄/ "'a, _/「i__「i .ノ / Y′ / .i (_____ノ
- 360 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:05:17 ID:yGdGspxk
救急車で搬送されるとき、俺は混乱しながらも、 意識が飛びそうになるくらい苦しむかーちゃんの手を握った。
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ | (__人__)' | \ `⌒´ / , - 、 __,- 、 , ー 、 /、 丁 ,.ノ_ , ー、f `l l |_,ィ'´ ノ |ヽ `〈l ド、 l _/_ , -、 / ` 、 ゝ ! `´rゥ- '´ j __/ `ュ >_/ 1_,/`‐' ''" _.../ | r' ´ l _, -‐ '´厶_ ト-‐ゥ-‐' \ ィ´ `t┼ `ゝ_| ! 」 ヽ / 1 ___」 |∧ / 勺 " !ヽヘ _/ ゙;`
- 361 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:05:38 ID:yGdGspxk
病院についてすぐ親父も駆けつけた。しばらくして担当医に呼ばれた。
/ ̄ ̄ ̄\ / ノ ヽ \ / (●) (●) \ 最期になるかもしれないので | __´ _ | ついていてあげて下さい…… \  ̄ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | ||
- 362 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:05:58 ID:yGdGspxk
俺と親父が病室に入ったとき、かーちゃんは無惨なほどだった。 血の気は引き、やせ細り……しばらくして意識が戻った。
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- 363 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:06:40 ID:yGdGspxk
かーちゃんはいつもみたく手を握った。 病人とは思えないくらい強く、俺は子供みたいに泣いていた……。
_____ / ノ' ^ヽ_\ ゚o゚/ 。;'⌒) (⌒ヽ\゚o° / o'゚~(___人___)~o゚ \゜ . | ゚ |/⌒ヽ| ゚ | \ ` ⌒ ´ / , - 、 __,- 、 , ー 、 /、 丁 ,.ノ_ , ー、f `l l |_,ィ'´ ノ |ヽ `〈l ド、 l _/_ , -、 / ` 、 ゝ ! `´rゥ- '´ j __/ `ュ >_/ 1_,/`‐' ''" _.../ | r' ´ l _, -‐ '´厶_ ト-‐ゥ-‐' \ ィ´ `t┼ `ゝ_| ! 」 ヽ / 1 ___」 |∧ / 勺 " !ヽヘ _/ ゙;`
- 364 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:07:24 ID:yGdGspxk
かーちゃんは声にならない声で、何かを呟いていた。 俺は耳を近づけて聞き取ろうとすると、確かにこう言っていた。
/ ̄ ̄ ̄ \ / \ / _ ノ ヽ、_u \ .| (● ) (● ) | \ (__人__) J / ( `⌒´ ヽ
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ル:::::リγ::..:::::..:::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ ,:┐ Yyノ(::. ::.ノ ノ u ヽ、ヾ:::::( ルリ/ | うけてきなさい…… ヽ:::( u(⌒)}ii{(⌒) ):::::ハ / / ( (i uヽ r‐ァr-、) )`/ / )ハゝu  ̄ ハ |(/ :/', ((::::ぃ> い| l_/_, -‐、', ノ/)!:) ,ヾ ソ │ / , --'i| l/ ノ Y { V , --ヘ / ( ..... ...ハ L| r= | / :::::::: ::::: ハ. └' /
- 365 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:07:58 ID:yGdGspxk
そして、かーちゃんは俺から手を離した。
`¨ - 、 | `Tー―ーヽ、 | ! `ヽ r / ヽ ヽ __ _,. -‐' ¨´ 、 /´ \ \ \_j て_,_` `ー<^ヽ ` ー ⌒ー、ヽ ヽ__j´ イ⌒ー " ,.( ヽ ヽ ゛'^´ ヽイ⌒r-ー ソ _Lj イ⌒r--,, /ヽ ヽ⌒_-ー´" `¨´
- 366 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:08:29 ID:yGdGspxk
かーちゃんを置いて受験に行くなんて、そんなの無理に決まっている。 しかももう8時を回っていて、間に合うとしてもギリギリだった……。
_ ((tュ)) _ ,, ‐,,==―=‐,- 、、_ l´ l`,)),/ 12 ヽ( `\ ゝ-‐、 / ' ヽ ヽ / ,- '_l 9 ,3 l l l ヽ / ノ、 ,/ :! l 〈 l´ ノ 、、,,_ 6 _,/ .::/ l `ヽ ヽ:.,,_ 二二;;;;;:::.'' ヽ , ''¨´ ̄‘―‐'  ̄`¨ 、 \ l'、::::.... ..:;ノ -―‐- 、 ヽ ,''_--- ---_'',ノ―:::::::――-、  ̄g ̄ ̄ l,/:::::::::::::::::::::::::::::::::::\ g l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ g 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
- 367 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:08:58 ID:yGdGspxk
困惑した俺に、親父が声をかけた。
____ / \ , / ; _ノ′ - / ∪ :::(● ` | "`(__) \、 /´ヽ ) ィ ("_ノ / /⌒ヽ ヽ ) | i l | | | | | | |-‐'
- 368 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:09:28 ID:yGdGspxk
/ ̄ ̄\ / \ / | ( ●)(●) 行ってきなさい! . | ゚ (__人__) 母さんもそうしなさいと言ってくれてるんだ! | ` ⌒´ノ . | } . ヽ____ } r'ニニヽ._\. ノ r':ニニ:_`ー三`:く._ /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィ . /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ . |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´ |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
- 369 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:10:04 ID:yGdGspxk
俺はかーちゃんの手をもう一度握ると、弾けたように病室を飛び出していた。 そこからどうやって来たかは覚えていない。
走って……乗り換えて……池袋駅を疾駆して、 何とか一限の筆記を受けたとき、やっと正常な時間の流れに戻った気がする。
____ __ . / _ノ ヽ、\ / \. . / o゚⌒ ⌒゚o / ̄、⌒) / (__人__) \  ̄  ̄.. . | ` ⌒´ | / \ i⌒\ / ノ / ⌒ヽ, _.ヽ .\/ / ./ |./ー、\ \ i, ノ \^ i 、/ ヽ、_../ / ヽ、_ノ | ./ // / ヽ、_./ ./ / / /
- 370 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:10:26 ID:yGdGspxk
昼休み、何も食べる気がしなかったが、かーちゃんの弁当を思い出した。
俺は中庭でそれを広げた時、何とも言えない懐かしさ、と何かこみ上げるものを感じた。
それは俺が中高5年間食べたかーちゃんの弁当だった。
____ / \ / _ノ ヽ、\ / o゚((〇)) ((〇))゚o \ | ||(__人__)U | \ ノi ` ⌒´ / / し' ___|_ | l.. /l `l ヽ 丶-.,/ |__ _| /`ー、_ノ / ̄ ̄ ̄ ̄/
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- 371 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:10:49 ID:yGdGspxk
おいしい……涙をこらえて食べた。かーちゃん……。 それからは流れるように時間が経ち、手応えも何も感じないまま、フラフラと地元まで帰った……。
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((>)) ((<))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / / \ / , ヽ / / .ヽ|| | ⌒ ーnnn. .(⌒) \__、("二)ヽ___/ l二二l二
- 372 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:11:41 ID:yGdGspxk
病院に行き、病室に入ると、かーちゃんは居なかった。
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- 373 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:12:09 ID:yGdGspxk
看護婦さんに聞いて、霊安室に連れて行ってもらった。
数名の御遺体の中、変わり果てたかーちゃんを見つけ、 俺は叫びともつかない嗚咽をし、かーちゃんを抱きしめた。
_________ /´ `\ ヾ、 _, -‐'"´´ \ / 、\ノヽ/´ 、 \ 。oj``ヽ) ( ,-‐ '"´ )o \ °/⌒`゙ ヽ"⌒``じ o ° \ / ( ) ° \ /ヾ、_ノヽ、___,,ノ⌒ヽ o° \ l ト、ノ),、 ノ l | | / | l ゚| /⌒´/ l \ l / / / ヽ、゜ | / /;'。 / ゚ \ .;`ー┴--一´ / ° ヽ ゝ、__゚_ ,;;. ,ィ< \ '; \ /`ー─、-‐ ''' \ / ゝ \ / \ / 、 , ヽ / .| 〃 ヽ
- 374 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:12:36 ID:yGdGspxk
担当の看護婦さんに連れられて、ラウンジで落ち着くまで色々な話を聞いた。
かーちゃんは俺が来た数日は本当に機嫌がよかったそうだ。
看護婦さんや医者、同じ病室の人にもよく俺の話をしていたらしい。
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- 375 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:13:20 ID:yGdGspxk
それとは逆に、俺が来ない日が続くと、元気がなく泣いている日もあったという。
, ⌒ハ ハ⌒ 、 j:::::::::ヽ ,ヘ^ ⌒ Y ⌒ヽ/ .::::::::i ノ:::::::::j(ノ ..::::....::::..:::: ::. .ヾ)':::::::::::i ル:::::リγ::..:::::..:::...ヘ、: : : :: ノy:::::::リ Yyノ ノ :ノ...:ノ ノ _ヽ ::::::) ルリノ リ::::::( (。●)(((, ̄\ . ハ::::ハ ゜,, r‐ァ ̄\\ ) ) )、  ̄ノくハ( \\ (,(.( ' ヘ い ノ:::))_ ) ヽ ノ/)` ヾ ソ ̄(( 、__/ ,' ノ Y Y l i ...... ..... i | ヽ :::::::: ::::: .ノ `、___i :::::::::::::::::: i
- 376 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:14:03 ID:yGdGspxk
帰り際に、一枚のメモをもらった。 病院備え付けの薄っぺらいメモ用紙には、震えた、力無い「お疲れさま」の文字があった。
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- 377 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:14:27 ID:yGdGspxk
葬式や通夜が終わり、俺は発表を見に行った。 結果は合格。俺は泣いた。
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || 1011……………………………………… || || 1023……………………………………… || || 1035……………………………………… || || 1051……………………………………… || || 1052……………………………………… || ||__ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧____|| ( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧ ~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ ~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,) ~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
___ _ /_ノ ヽ、\ ηノノ /o゚((●))((●))゚o ノ, ∃ ./ (__人__) ヽ ./ ./´ | ` ⌒´ | ./ / \ _ / ./ / / ./ . / .| | |
- 378 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:14:55 ID:yGdGspxk
合格も嬉しかったけれど、何より心で叫んだ。
/ ̄ ̄ ̄ \ / :::::\:::/\ かーちゃん、ちゃんと受かったお!!!! / 。(ー):::::(ー)。 | .:::。゚~(__人__)~゚j お祝いしてくれお、かーちゃんの弁当でお花見に行くお! \、 ゜ ` ⌒´,;/゜ / ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。 何で……こんな時にいないんだお…… / ,_ \ \/\ \ と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;. かーちゃん…………
- 379 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:15:25 ID:yGdGspxk
俺は合格通知をかーちゃんの墓に見せに行き、 たくさんの話をした。
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- 380 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:16:06 ID:yGdGspxk
端から見たら変な人に見えるだろう。 でも俺はこの18年間のごめんなさい、ありがとう、を全部語った。
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- 381 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:16:30 ID:yGdGspxk
今回は良いタイトルが思いつきませんでした。 かーちゃん系ということで。
元ネタ↓
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 09:02:10.57 ID:PoJ9fqOTO 俺のかーちゃん、俺が高3に上がったときに いきなり倒れて入院した。
検査をして入院が決まったが 俺は内容を詳しくきかされなかった。 夏頃から受験勉強もあって かーちゃんに会いにいく時間も取れなくなっていった。
俺は決して頭が良くはなかった。かーちゃんは立教大学出身 俺は小さい頃良く「かーちゃんと同じ大学にいく」と言ったものだ。 実際に受験となると、ハードルは高かったけれど 立教を目指してがんばった。 冬になり、かーちゃんは次第に痩せていった。 飯も食わなくなり、俺の手を良く握るようになった。 かーちゃんは俺に色々話をさせた 学校 進路 夢 思えば何であのとき気がつかなかったんだろう…
涙が…ちょヤバ… 最後の模試の結果が出た。 努力の甲斐か、立教大B判定が出た。 俺からすれば奇跡に近い判定 おれは帰りに病院に行き結果を見せた。 俺「かーちゃん、おれ立教大いくよ。判定もホラ」 得意げに模試を見せた かーちゃん「がんばってるのね タケシ(仮)が後輩になってくれたらかーちゃん嬉しいよ」 その日もかーちゃんは俺にたくさん話をさせた 俺の手を握りながら…楽しそうに
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 09:04:48.90 ID:PoJ9fqOTO それからすぐ、俺は大学入試を迎えた。 大本命の日、朝早く起きて下に降りるとかーちゃんが台所にいた 俺:何やってんだよかーちゃん、寝てなきゃ 母:今日は本命の日でしょ、お弁当持ってきなさい 一年ぶりのかーちゃんの弁当だった 俺は涙が出るのをこらえながら準備をして出かけようとしたとき かーちゃんが急に苦しみだした 俺は急いで病院に電話し、救急車がきた 家には俺しかおらず、付き添って行った。 意識が飛びそうになるくらい 混乱しながら苦しむかーちゃんの手を握った。 病院についてすぐ親父も駆けつけた。しばらくして担当医に呼ばれた。 最期になるかもしれないのでついてあげて下さい 俺と親父が病室に入ったときかーちゃんは無惨なほどだった 血の気は引き、やせ細り…しばらくして意識が戻った かーちゃんはいつもみたく手を握った 病人とは思えないくらい強く 俺は子供みたいに泣いていた… かーちゃんは声にならない声で何かを呟いていた。 俺は耳を近づけて聞き取ろうとすると確かにこう言っていた 「うけてきなさい」 そしてかーちゃんは俺から手を離した
- 382 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 04:16:50 ID:yGdGspxk
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 09:08:38.06 ID:PoJ9fqOTO そんなの無理に決まっている。 かーちゃんを置いて受験に行くなんてしかももう8時を回っている 間に合うとしてもギリギリだった。困惑した俺に親父が声をかけた。 「行ってきなさい、母さんもそうしなさいと言ってくれてるんだ」 俺はかーちゃんのてをもう一度握ると弾けたように病室を飛び出していた。 そこからどうやって来たかはおぼえていない。走って…乗り換えて…池袋駅を疾駆して 何とか一限の筆記を受けたときやっと正常な時間の流れに戻った気がする。 昼休み、何も食べる気がしなかったがかーちゃんの弁当を思い出した。 俺は中庭でそれを広げた時 何とも言えない懐かしさと何かこみ上げるものを感じた。 それは俺が中高5年間食べたかーちゃんの弁当だった おいしい…涙をこらえ食べた かーちゃん… それからは流れるように時間がたち手応えも何も感じないまま フラフラと地元まで帰った…
病室に入ると、かーちゃんは居なかった 看護婦さんに聞いて霊安室につれていってもらった。 数名の御遺体の中、変わり果てたかーちゃんを見つけ 俺は叫びともつかない嗚咽をし、かーちゃんを抱きしめた。 担当の看護婦さんに連れられてラウンジで落ち着くまで色々な話を聞いた。 かーちゃんは俺が来た数日は本当に機嫌がよかったそうだ 看護婦さんや医者、同じ病室の人にも よく俺の話をしていたらしい。 逆に俺が来ない日が続くと元気がなく、泣いている日もあったという。 帰り際に、一枚のメモをもらった。 病院備え付けの薄っぺらいメモ用紙には震えた力無い「お疲れさま」の文字があった。
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/31(金) 09:13:16.57 ID:PoJ9fqOTO 葬式や通夜が終わり、俺は発表を見に行った。 結果は合格 俺は泣いた 合格も嬉しかったけれど 何より心で叫んだ かーちゃん、ちゃんと受かったよ!!!! お祝いしてくれよ、かーちゃんの弁当で花見行こうよ 何で…こんな時にいないんだよ…
かーちゃん…
俺は合格通知をかーちゃんの墓に見せに行き たくさんの話をした。 端から見たら変な人に見えるだろう でも俺はこの18年間のごめんなさい ありがとう を全部語った。
- 383 : 本棚のやる夫さん : 2009/05/18(月) 06:29:16 ID:nEiYylEI
- 乙…
泣けるコピペはよせと言ったのに…
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